四万十川 松明火振り漁に行ってきた

四万十川では7月1日から火振り漁が解禁。夜中に川幅ほどの刺網を入れ、鮎を火(ライトや松明などの明かり)を振って追い込んで獲る漁法。

火振り漁といえど、四万十川の上流域、中流域、下流域で方法や舟、方法が違う。本流、支流でも違う。奥が深い。

今回は、なんと四万十川でも珍しい松明を使った火振り漁に参加してきました!(網で忙しくて全然写真撮ってません・・・)

西土佐津野川で網入れと上げを数年やらせてもらっていたのでやり方はわかるものの、松明は初めて。松明は扱いが大変なのと、管理がしづらいとか。LEDの電灯や懐中電気を使ったものが主流になっています。川に夜行くと、十和~大正のあたりで松明らしき火振りを偶然見かけたことはあったので、やっている人がいるのは何となく感じてはおりました。幸運なことに、お誘いいただいて感謝です。

舞台は四万十町希ノ川。大正のちょっと手前。普通は3~4隻ほどで行うのですが、たまにどうしても日程が合わないとか今日とりたい!というときは1隻でやることも。今回は、遊びでやってみないか~というお誘いなので1隻。

若者4人で参加しました。舟を出してくれたのは土居さんです。

日没間近の6時30分。全員軽トラに乗り込み、河原までレッツゴー!

途中、河原の入り口に無造作に置かれた木製川舟を車輪もつけずに強引に岸まで軽トラで引っ張ります。ゴゴゴゴゴゴゴ~~~~!と河原の石にぶつかりながら進むので心配でしかない!笑 船底大丈夫か・・・?(案の定、火振り中に浸水。)

まずは、カーバイトを熱源にする四万十川ではおなじみの「カンテラ」に火をつけます。こちらも初めて見たのですが、話しにはたくさん出てきて、これで夜に川エビやウナギを取りに行ったとか。カーバイトとは、見た目はただの石ですが、炭化カルシウムといい、これを水でぬらすとアセチレンガスが出て火をつけると燃焼するのです。水で濡らす電灯なんてあるんですね。面白い。これは川にピッタリだ。明かりも大きすぎず、心地よい明るさをくれます。

続いて、松明に火を灯す(本当は網入れてからなんでしょうが、今日はご愛敬。)。松の木を20~30cmほどに切った薪を用意し、火付けの時は先端を石でつぶして火が付きやすくします。カンテラから出る火を松の木につけ、徐々に木をくべて火を大きくしていきます。

それでは、やっとこさ川へ。19時頃、少しまた白んでいますが、「もうかまんろ。網入れていくかえ。」と。私が網入れで、土居さんが船頭です。もう一人、写真担当で乗り込みたかったが、沈没しそうなのでやめておくことに。

網は建て網を6枚入れます。川幅が狭いので、2枚つながずにいけるそう。

何がすごいって、土居さんの舟には船外機がないので櫂と竿で操船するんです。真っ暗の中、私には川の状況がわかりません。岩場のあたりは恐ろしいですが、舟をぶつけることもなくスイスイと上へ上がっていく。ただ、私は言われたところに網を入れていくだけなので簡単なものです。久しぶりなので、網離れが雑になりました。少したゆませたいけど、舟のスピードに間に合わず引っ張ったところも多々。最後の一枚は浅瀬に歩いて仕掛けてくると土居さん。

間髪入れずに、居残り3人が火おこししてくれた松明を舟に載せます。松明を振るのは誰でもできるとのことで、ピチピチ女子のはまちゃんがチャレンジ。船頭は土居さん。

岸から火を振る様子を見ていましたが、舟が動いているからか、全然振れてない!!!ように見える。「振れてないぞ~!」とヤジりながら見守っておりました。後から聞くと「虫がすごすぎる!」と。松明の火に大量の虫が寄ってきたとのこと。そうでしょうとも。土居さんは操船しながら竹の竿を水面にバシーンとかなり良い音で叩きつけます。かっこいい~!浅瀬には舟を降りて、ゴウゴウと燃え盛る松明を担いで鮎を追う土居さんの背中にほれぼれしておりました。松明の火はいい色してます。

さて、網上げじゃ~~~!

またもや私が乗り込み網を1枚ずつ上げていきます。通りすがる網に白い影が1つ。あまり見えない・・・。ヘッドライトをつけ網を照らすと、目の前に大量の虫が飛び込んできました。しゃあない!ので、手ぬぐいで目の下を覆いなんとかする。何匹か食べた気がする・・・。

竿で網の先端をキャッチして舟のスピードに合わせ手繰っていきます。たくさんいれば網が重く白い影が見えてくるのですが、ポツポツ・・・。1枚に5匹いるかな~といったところ。形はちょうどよくきれいな鮎です。2~3枚外してから岸によって、居残り組に鮎を外してもらいます。初心者3人組でしたが、なんとかなるもので、次の網を持っていくと全部とれている。やるじゃないか。

松明の火は川に沈めて鎮火。

残念ながら今回は「鮎の顔を見たばあじゃったね~」といったところ。太っ腹な土居さんは全部若者に鮎をくれました。ありがたい!!!

鮎を持ち帰り、家で早速焼いて食べると・・・うまい、うますぎる。氷で絞めていなかったので劣化が心配でしたが問題なし。砂を噛んでいないし、良い香り。

土居さん、ありがとうございました。

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